現役オンライン英会話講師による
正しいシャドーイングのやり方を紹介

シャドーイングをしているのに全然英語が話せるようにならないよ。何かやり方を間違えてるのかしら…?
シャドーイングをしているのに英語力が伸びない。その原因は、
間違えたやり方をしているから
シャドーイングをするなら必ず〈しっかり聞く・自分の発音をチェックする〉、この2点を守りましょう。
どちらか1つでも疎かにすると、シャドーイングの効果が激減してしまいます。
そんなボクも、シャドーイングをやっても効果を感じれずにいた1人です。
1年間のカナダ留学中にたくさんシャドーイングをしましたが、「何がいけないのか」とモンモンとしていた時期があります。
様々な試行錯誤で辿り着いた、ボクなりの効果的なシャドーイング方法を紹介します。
その前に、まずはシャドーイングとは何か軽く確認しましょう。

1年間のカナダ留学を経験し現在はオンライン英会話講師をやっています。ボクが運営するゆるふわ英会話では、英語の学習方法についてまとめています。
シャドーイングとは?

シャドーイングはお手本となる音声を聞きながら、その音声とほぼ同時に自分も声に出す学習方法です。
シャドー:影のようにお手本の音声に続いて発声
詳しいやり方は文字媒体よりも、Youtubeなどの動画媒体の方が分かりやすいです!
多くの方は〈シャドーイング=スピーキング力強化〉と思っていますが、ここが大きな間違いです。
※1 大前提として自分がどの英語圏の英語を学習したいのかを明確にしてください。
英語には〈アメリカ英語・イギリス英語・オーストラリア英語〉など多くの英語圏がありますが、それをごちゃ混ぜにすると大変です。大阪弁、東北弁、沖縄弁などの方言が混ざったら…、と考えると理由が分かると思います。
※2 「倍速でやると良い」という方が稀にいますがマジでやめた方がいいです。
圧倒的なリスニング力を求めるにしてもオススメしません。基本は通常スピードで行い、場面に応じて低速にするのが効果的です。
シャドーイングで伸びるのはスピーキング力ではない
- BTSやTwiceの歌をマネする
- ジャスティンビーバーの曲をマネする
「音をマネする」のは学習ではないです。
たまに海外の方で〈日本の歌を歌えるけど、日本語を話すことはできない〉っていう人いますよね。
なぜなら、それは真似しているだけで学習しているわけではないからです。
これを知らないとただ音を真似しているだけで終わってしまいます。
つまり学習しなければいけないんです。
音真似ではスピーキングは伸びません。
正しいシャドーイングをすることで、結果的にスピーキングが伸びるんです。
効果のないシャドーイング

では実際に効果のないシャドーイングとはどんなものか、4つ紹介します。
あなたもこのやり方をやっていませんか?
もし1つでも当てはまるなら今日から変えましょう。
自分のレベルに合っていない
シャドーイングを学習として取り入れるには、ある程度の英語力が必要です。
初心者の方はシャドーイングよりも先に〈基礎文法・日常頻出単語・ある程度の発音力〉を先に身に着けましょう。
分からないことが多い状態では、音をマネするだけになってしまい効果がありません。まずは基礎文法から学習を始めましょう。
中級者の方はどんどんシャドーイングをしましょう!
しかし中級レベルになると、ついつい難しい素材を選んでしまいます。(ボクも経験済み)
いきなり難しい素材を選ぶのではなく、最初は簡単な日常会話から始めて、徐々にTED talkなどの難しいものに変えていきましょう。
- 5分ほどの動画の中に分からない単語がどれだけあるか
- 自分が学習している発音はどこの国なのか
- 素材のレベルがどれくらいなのか
目的が間違っている
- スピーキング力の向上
- 新しい単語を増やす
- 文法の確認をする
これらはシャドーイングでは伸びません。シャドーイングの目的が違います。
シャドーイングは、
”発音を鍛える”のが目的です!
「どこの音が繋がっているか、どこの音が無くなるか」などをしっかり聞き、その発音通りに自分も発音するのがシャドーイングです。
自分の発音がキレイになることで、聞ける範囲が広がりリスニング力が上がります。
聞ける範囲が広がれば、スピーキング力も必然的に伸びます。

発音を伸ばすことを意識しながらシャドーイングするだけでも、効果が全然違います!
繰り返さない
どんどん新しいのをやるのはマジで効率が悪いです(経験済み)
おそらくシャドーイングをしていると「あれ?今何て言った?」、という場面がたくさんあると思います。
1回止めて軽く確認したくらいではダメです。
後ほど詳しく説明していますが、シャドーイングは発音矯正が目的です。
矯正せず、確認だけして繰り返し練習するのは意味がないです。
自分の音を確認しない
これは特に大事なので必ずやってください。
間違っているかどうか、正確性はどれくらいか
を確認しないシャドーイングはマジで意味がないです。
何度も言いますがシャドーイングは学習です。
学習なので間違いがあるんです。
その間違いを確認しないままにやるのは学習ではなく”音真似”になってしまいます。
では実際にどうすればいいのか?
効果的なシャドーイング

では実際に効果的なシャドーイング方法をみていきましょう。
ようは意味のない方法の逆をすればいいんです。
ここで紹介するやり方に優先順位はありません。
全部やって初めてシャドーイングです。
どれも欠かすことなくやることで、シャドーイングの効果を最大限に発揮できます。
明確な目的を持つ
シャドーイングの目的は2つだけです。
- 発音矯正
- リスニング力向上
この2つを同時に鍛えることが出来るのがシャドーイングです。
特に発音矯正!
シャドーイングの目的は”発音矯正”といっても過言ではないです。
たとえば!
- I’m going to~ → I’m gonna
- I have to~ → I hafta
というように英語は音が変化しますよね?
こういう音の変化や発音を”聞き取る・発音を矯正する”のがシャドーイングの目的なんです。
つまり流れとしては、
発音を矯正する → 音の変化を聞き取ることができる → スピーキング力に繋がる
という流れで結果的にスピーキング力が伸びるわけです。
まずはこの流れをしっかり理解しましょう。
レベルを合わせる
ということはですよ?
難しい素材を選ぶ意味はないですよね?(もちろん上級者は除きます)
多くの方が軽視しがちなフォニックスも発音矯正です。そのぐらいのレベルでもいいんです。
仮に10分練習するとしたら、その中で分からない単語は2~3個までもしくは0が最適です。
自分が思っているよりもずーーっとレベルを落としてください。
「簡単すぎてつまらない」と中級者なら思うかもしれません。
ただ後ほど”録音する”のチャプターでも説明しますが、
録音した自分の発音を聞くと愕然とします….(経験済み)
1つの素材を繰り返す
なぜなら確認ではなく矯正だからです。
10分程度のお手本の音声を完コピできるまで繰り返しましょう。
いつもの発音ではなくお手本の音声です。
難しい発音の部分は速度を下げて聞いてみましょう。
その際、素材が動画なら口の動きも細かくチェックできます。
また素材が動画なら〈表情・身振り手振り・感情〉も真似しましょう。
例えば!
I’m hungry(お腹がすいた)の時は、その演者の〈発音・表情・身振り手振り・感情〉
全てをシャドーイングするんです。
つまりはその”お腹が空いている演者”になりきるんです。←意外とこれが楽しかった♪
録音する
恥ずかしいのはすごく分かります。
さらに自分の発音の酷さにひざから崩れ落ちます….(経験済み)
\実際にやってみると自分の想像の100億倍ほど発音がひどいです♪/
ただその気づきが大切なんです。
シャドーイングは学習です。答え合わせがあるんです。
その答え合わせが録音した自分の音声を聞くこと
ではボクが実際にやっていたシャドーイングの流れを紹介します。
やり方は人それぞれあるので自分に合ったレベル・時間などに調整しましょう。
\ボクが実践していた方法/
- いくつかの動画を見て今の自分に合った動画を1つ選ぶ(5~10分程度)
- 2,3回ほど字幕アリで聞く(全集中で聞く)
- 「ん?どう発音してた?」という部分をいくつかピックアップ
- ピックアップした部分をまず軽く練習する
- 2,3回全体をシャドーイング ← ここで初めてシャドーイング
- 録音開始、1回シャドーイング
- 録音を聞いて特にひどかった部分を2,3個”矯正”
- ひどかった部分を意識しながらシャドーイング、もちろん録音する
- 録音を聞いて特にひどかった部分を2,3”矯正”
- ※繰り返し
繰り返しの回数はその日のやる気次第でやっていました。
スピーキング力を伸ばす方法

では実際にスピーキング力を伸ばすにはどうすればいいのか?
スピーキングは実践でのみ向上する
スピーキングは”学習”の範囲内ではなかなか伸びません。
〈シャドーイングや音読〉と〈実践〉の決定的な違いは、
”何かを経由しているか、していないか”
- シャドーイングなら”耳”を経由している
- 音読なら”目”を経由している
どこかを経由せずにダイレクトにアウトプットする
その方法を紹介します。
独り言
独り言は最強です。
- どこでも出来る
- いつでもできる
- どのレベルの人でもできる
はい、もう三拍子そろってますね。つまり最強です。
独り言は何かを経由することなくアウトプットできます。
最初は簡単なやつで大丈夫です。
I like~ because ~ みたいな!
自分の英語力を試す感じなのであえて難しいレベルにする必要はないです。
ただ簡単すぎも成長に繋がらないので、自分のレベルに合わせて適切なものを選びましょう。
文法が間違ってもOK、発音が間違ってもOKです。
ただし文法書などは何も見ないでください。
何も経由しない←ここがミソ♪
英語で日記
〈目〉が経由ではなく”終着点”なので、英語の日記もおすすめのアウトプット方法です。
日記を書くことでスピーキング力・ライティング力が両方伸びます(上級者は除く)
特にライティングを伸ばすアウトプット方法なので、単語のスペルなどは気をつけましょう。
独り言と同じく、自分の英語力を試す感覚で大丈夫です。
なので、わざわざ分からない単語を使う必要はないです。
ここも何も経由しないのがミソ!
英会話教室
英会話教室は最強のアウトプットの場です。
- 独り言の成果を見せる
- ライティングした日記の添削をしてもらう
そうなんです。
英会話教室は独り言と英語日記を”試せる・直してもらえる”最高の場です。
特にシャドーイングを始めた中級者以上の方は、ネイティブ講師が在籍しているオンライン英会話教室がおすすめです。
結論:シャドーイングは最強

発音矯正するならシャドーイング一択です。無料なので!
ただし学習なので”答え合わせ”をしないと意味がないです。
ここで正しいシャドーイングを覚えたなら、今日からすぐ実践しましょう。
ただし意識はスピーキング力向上ではなく”発音矯正”です。
ここはしっかり理解しましょう。
またスピーキング力を上げたいなら〈何かを経由しない〉アウトプットをしましょう。
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