現役オンライン英会話講師による
単語の学習方法と、オススメの単語帳を紹介

自分は記憶力が悪いから単語を覚えるのが苦手…
単語を覚えるのに必要なのは、記憶力ではなくコツです。単語を覚えるコツとは、いかに効率良く脳に記憶させるかということです。
ただそのコツというのは、
すご~く地味です…。
もしかして「メチャクチャ簡単に単語が覚えられたらいいなー。」なんて思ってました笑?
残念ですが、こちらで紹介する方法は優しくはありません。しかし最も効率が良い方法です。コツとやる気次第では1ヵ月で2,000、3,000単語も可能です。
本気で単語を覚えて、英会話の幅を広げたいという方はぜひ最後まで見て実践してください。

現在ボクはオンライン英会話講師をやっています。カナダで1年間の語学留学を経験しながら、様々な単語の覚え方も実践してきました!
単語を覚える必要性

当たり前ですが単語を1つも知らない場合は、英語は一切話せないです。
例えば I love you
↑これはみなさん知っていると思います。これも分解すれば1つ1つの単語なんです。
- I(わたし)
- Love(愛する)
- You(あなた)
この3つの単語を知らなければ、I love you は言えないし理解できません。I love youくらいならまだ簡単ですが、難しい単語だとなかなか覚えられないですよね…,
なぜ人間は忘れてしまうのか?
忘れるメカニズムを理解することが、単語を効率よく覚えるコツなんです!次に紹介する「忘れるメカニズム」を一緒に見ていきましょう。
忘れてしまうメカニズム

ここで1度単語の覚え方を脇に置いて、人間の”記憶のメカニズム”を理解しましょう。
なぜ忘れるのか、どれくらい忘れるのかを知ることで、「どのタイミングで学習するのが効率がいいのか」が見えてきます。
そもそもなぜ忘れるのか?
“忘れる”という機能は、覚えると同じくらい人間にとって大事な機能なんです。友人や家族とのケンカを、いつまでも記憶しているのは大変なストレスです。
参考:公益社団法人 日本心理学会
そのため人間は忘れていきながら記憶を訂正する”記憶の更新機能”があるんです。
勘違いや記憶違いと呼ばれるものです。
友達とケンカしたこと・恋人と別れたことなど忘れたい記憶がいつまでも、記憶に強く残り続けるのは嫌ですよね。
しかし5年前に行ったディズニーランドや、中学2年生の時の運動会の記憶など、楽しかったことやうれしかったことも同様に少しずつ薄れていきます。
つまり「自分が忘れたい記憶・覚えておきたい記憶」の識別は脳にはできないということです。
覚えたい単語をなぜ忘れてしまうのか?
それは脳にとって覚えたいものなのか、忘れたいものなのか識別できないというのが原因なんです。
どれくらい忘れるのか?
- 20分後には42%忘れる
- 1時間後には56%忘れる
- 1日後には67%忘れる
- 2日後には72%忘れる
- 6日後には75%忘れる
単純計算すると、がんばって1日100単語を勉強しても次の日に覚えているのは30単語ほど…
でも大丈夫です!安心してください!
学習した後に復習をすることで、記憶率を100%に戻すことができます。
これがエビングハウスの忘却曲線から分かる記憶の節約率なんです。
(参考文献:エビングハウスの忘却曲線とは? 本来の意味やビジネスへの賢い活用法を解説)
「単語を100個覚えた次の日は30単語しか覚えていない」
逆を言えば記憶に残った30単語は軽く復習するだけで済み、残りの70単語をしっかり復習するだけで記憶は100%に戻ります。
つまり、前日よりも100単語を覚えるのに必要な時間を節約できたということです。
さらに2回目以降の学習のほうが記憶の定着率が高く、3回目以降になると最初の学習した時間よりも大幅に時間を節約することができます。

ふらっふぃ的にはその日のうちに復習するかどうかで、記憶率に大きな差が出ます。オススメは朝に学習して、夕方頃に復習するのがベストです。
単語に特化するタイミング

ぶっちゃけ最初から単語の勉強をするのは効率が悪いです。
だって初級単語や頻出単語は、文法を学習しているうちに覚えれます。わざわざ単語学習として時間を浪費するのはもったいないですよね。
では単語に特化するべきタイミングはいつがいいのでしょうか?
- 最初は初級の文法教材を買う
- 文法教材で文法を学びつつ、出てくる単語はその場で覚える
- 英会話教室で実践的な英語力を身につける
- 試験対策用・家にある家電・自分の興味があるジャンルの単語を調べる
つまり、単語に特化するタイミングは英語学習の最後です!
細かな期間でいうと、最初に文法学習を2~6か月、その後に英会話教室を6か月程度、そして英語学習を始めて1年程度で単語学習に特化する流れが理想です。
英語学習の全体像を知りたい方は、ふらっふぃが考案した1年間の英語学習ロードマップを参考にしてください。
単語の覚え方

結論をいうと、単語学習は”回転数”がなによりも大事です。
回転数とは「短い期間でたくさん使う」ということで、これが基本であり最も効率よく覚えられます。
1.効率的にアウトプットする
〈意味を理解する・発音を意識する〉
単語を勉強する際はこの2点だけ意識します。

そんなの当たり前じゃん笑
もう一度言います。
”意味”と”発音”の2点だけです。
つまり単語のスペルは覚える必要ありません。なのでノートや鉛筆はいらないです。
単語を勉強する際にノートに繰り返し書く人がいますが、それは単語のスペルも覚えようとしているからです。意味も発音も単語も…同時にいくつものことを覚えようとすると、それだけ効率(記憶率)が悪くなります。
ではどうすればいいのか?
ひたすら声に出す。
何度も繰り返し声にだし、何度も復習するだけのメチャクチャ地味な作業です。しかしこれが最も効率の良い単語の覚え方なんです。
だって10回書くのと、10回言うのを比較すれば言う方が早いですから。それに書くときに使う部分は目と手、そして言う時に使うのが口と耳。実際に会話をする時に使うのは口と耳ですよね。
これを理解したら、後は効率よく回転させていくだけです!
2.ガンガン回転させる
ここが一番大事な部分なので、しっかりと理解して進めていきましょう。
※”朝時間がない、夜時間がある”という想定
まずは覚えたい単語を1,000単語ほど用意します。自分で1,000単語用意するのが面倒な場合は、こちらからあなたに合った単語帳を選びましょう。
用意した単語を100単語ごとに区切って、全部で10パートに分けます。その10パートを1ヵ月ガンガン回転させます。
1日目朝:パート1の100単語の意味と発音を1個ずつ意識して声に出す。
1日目夜:パート2の100単語の意味と発音を1個ずつ意識して声に出す+パート1復習
2日目朝:パート3の100単語の意味と発音を意識
2日目夜:パート2の復習+パート3復習
3日目朝:パート4の100単語の意味と発音を意識
3日目夜:パート3復習+パート4復習
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9日目朝:パート10の100単語の意味と発音を意識
9日目夜:パート1復習+パート10復習
10日目朝:パート1,2復習
10日目夜:パート1,2,3復習
11日目朝:3,4復習
11日目夜:4,5,6復習
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14日目朝:9,10復習
14日目夜:3,4,5復習
15日目朝:1,2,3復習
15日目夜:6,7,8,9復習
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・
30日目くらいの朝:パート1~10まで
30日目くらいの夜:パート1~10まで
これらは全て1時間ほどで出来ます。
「そんなわけないだろー!」
いやマジです笑。
みなさんも小学生の時に「寿限無」って覚えませんでしたか?「じゅげむじゅげむごこうのすりきれかいじゃりすいぎょの….」
最初は寿限無を覚えるために1フレーズずつ声に出したり、部分ごとに区切ったりしながら覚えましたよね。でも慣れてくると早口言葉のように、高速で言うことができるようになります。おそらく覚えながらやる人と、高速で言える人を比べると5倍以上の差があるのではないでしょうか。
回転数をメチャクチャに上げれば、後半は単語の意味や発音を意識する必要がなくなります。つまり1,000単語も「高速寿限無」のように口から出てくるようになるんです。
ただここまでくると別の問題が出てきます。
- 「この単語どう使うんだろう」
- 「Aの単語とBの単語の違いは何だろう?」
それを解決する方法が「その単語を使って例文を作る」です。
3.例文の作成とリスト化

憶えた単語の使い方が分からない…

同じような意味の単語の使い分けを知りたい。
単語学習ではここで初めて紙とペンを使います。
- ”なんとなく”でいいので使い方が分からない単語を使って自分で例文を作る
- 同じ意味の単語をリスト化・グループ化する
自分で作った例文やリストを英会話教室の先生に見てもらいましょう!店舗型の教室でもオンライン英会話でもかまいません。どこにしようか悩んでいる方は、こちらであなたに合った教室を探しましょう。
当たり前ですが、しっかり単語帳を読まなければここの段階にいません。
ここまで来れたあなたは既に英語上級者です!
添削してもらう

先ほどのリスト化・グループ化した単語を、英会話教室の先生に添削してもらいましょう!
せっかく作った例文やリストも、プロの方に添削してもらわないと間違えたまま・分からないままになってしまってもったいないです!

でも先生になんて聞いたらいいか分からないよ~
安心して下さい。そんなこともあろうかと、英会話レッスン中によくある「これって英語でなんて言うの?」をこちらにまとめました!実は多くの生徒さんが同じ場面で”これって英語でなんて言うの”状態になっているんですよ笑。
ただ国によって使われる単語や発音に違いがあります。アメリカ英語やイギリス英語など、あなたが目標とする国の英語を使用している講師を選びましょう。
ここまでが一連の単語学習の流れになります。この流れを単語帳を買うたびに実践していくのみです。
最後にボクがオススメする単語帳を厳選して、3つだけ厳選して紹介します。
オススメの単語帳3選

ふらっふぃも実際に愛用したマジで使える単語帳3選を紹介します。それぞれ特徴が異なるので、自分に合った1冊を選びましょう。
1.Distinction
著者は英語学習系YoutuberのATSUさん
(留学中はATHUさんの動画にたくさんお世話になりました)
ふらっふぃも実際にDistinctionを愛用しましたが、マジで英語力が爆伸びしました。というのも、単語のレベルの高さはもちろん、掲載されている単語を使った例文の内容さえも知識としてタメになる1冊なんです。
ボクがDistinctionに出会ったのは帰国してからですが、日本にいながら全体的な英語力を上げることができた最強の単語帳です。

Distinctionの単語が完璧なら海外で友達100人は余裕です笑。
2.金のフレーズ・銀のフレーズ
TOIEC対策に特化した単語帳です。
銀のフレーズが基礎単語、金のフレーズが応用編です。この2冊でTOIECの頻出単語の9割は網羅できます。英語学習者の中では”TOIEC対策のバイブル”と言われる2冊です。
就職の際に、英語のアピールポイントとしてTOEICを受験している人が増えています。時代に乗り遅れないように、今のうちにTOEIC対策を始めましょう!
3.DUO3.0
DUO3.0の魅力はなんと言っても豊富な英熟語の収録数です。
単語だけでなく、英熟語も覚えることでより幅広く会話を広げることができます。しかし単語+英熟語と収録数はかなり多く、初心者の方が購入すると絶望を味わうので気をつけましょう笑。
中級者以上の方であれば、DUO3.0が1冊マスターできればネイティブレベルで英語を操れます。DUO 3.0でよりハイレベルな英語力を手に入れたい、英語中毒の方は今すぐ手にしましょう
まとめ

- とにかく回転数を上げる
- 24時間以内に復習すること
単語学習で絶対に押さえておきたいポイントは上記の2つです。どちらか一方でも疎かになると、単語の記憶率は著しく低下します。
ものすごく地味な作業ですが、「この単語分かるぞ・今の単語聞き取れた」というあの瞬間はまさに快感です笑。
それに単語学習を始めるとボキャブラリーが増えて、英語で話せる幅が格段に広がります。個人的にですが、「英語が話せて楽しい」と思い始めるラインでもあります。
いわゆる”ブレイクスルーポイント”です。
英語の勉強がつまらない?
たぶんそれはまだ、地味な単語学習を経験してないだけですよ。まずは目の前に1,000単語を用意しましょう。
【英語が楽しくなる】まであとたったの1ヵ月。
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